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R-1グランプリ2024決勝の結果と感想【優勝:街裏ピンク】

賞レース

2024年3月9日(土)に開催されたピン芸人の頂点を決める大会「R-1グランプリ2024」

昨年まで「芸歴10年以内」(アマチュアは参加10回目以内)という出場資格の制限があったのですが、今年からその芸歴制限が撤廃されることになりました!

そんな本大会の応募総数はなんと過去最多の5,457人

その頂点に立ち、見事優勝に輝いたのは、芸歴20年目の大ベテラン街裏ピンクさんです☆

本大会の決勝メンバーの中には、私が7年以上前から応援している方々が出場されていた為、応援にも熱が入りました!

今回は当時の出待ち写真なども挟みつつ、R-1グランプリ2024決勝の結果と感想を話していきたいと思います!

結果【R-1グランプリ2024決勝】

R-1グランプリ2024決勝の最終結果です!

見事優勝に輝いたのは「街裏ピンク」さんでした!

おめでとうございます✨

順位芸名
第1位街裏ピンク(芸歴20年)
第2位吉住(芸歴9年)
第3位ルシファー吉岡(芸歴16年)
第4位真輝志(芸歴10年)
同率第4位どくさいスイッチ企画(アマチュア)
第6位サツマカワRPG(芸歴10年)
第7位寺田寛明(芸歴11年)
第8位kento fukaya(芸歴12年)
第9位トンツカタン お抹茶(芸歴11年)

感想【R-1グランプリ2024決勝】

R-1グランプリ2024では芸歴制限が撤廃され、決勝メンバーには史上初アマチュアからの進出者や芸歴20年を超える大ベテランなど幅広い経歴を持った出場者が名を連ねました!

また、ネタ時間は3分から4分に延長され、スタジオセットも豪華にリニューアルされていました!

例年以上に注目が集まった本大会で優勝に輝いたのは「街裏ピンク」さん!

決勝メンバーの中には、私が高校生の頃から応援していた方もいらっしゃるので、当時の話も踏まえながら各芸人さんのネタについて感想を話していきたいと思います!

第1位|街裏ピンク(芸歴20年)

R-1グランプリ2024にて22代目王者に輝いた街裏ピンクさん。

出身は大阪府大阪市で、所属事務所はトゥインクル・コーポレーションです。

私も本大会にて初めて街裏ピンクさんのネタを見させていただきました…!

マイク1本、しゃべくりだけで笑いを取る漫談スタイルは並大抵の心臓ではできません…!

しかも、このスタイルで20年やられていたということなので、その実力や面白さが本大会にて証明され、街裏ピンクさんをはじめ奥様や長年応援されていた方にとってようやく報われた瞬間だったのではないでしょうか。

今回優勝の決め手になったのは、街裏ピンクさんの「存在感」だと思います。

通常の漫談では実話や時事をテーマに話されることが多いのですが、街裏ピンクさんの場合、ネタ10割のうち10割が空想の作り話です。そのため、通常であればその人のキャラクター性が見えずらくなってしまい印象としては薄くなるはずです。

しかし、街裏ピンクさんの場合、ショッキングピンクのスーツに丸メガネをつけた坊主のおじさんという見た目でそのキャラクター性を前面に押し出し、あたかも実話かのように細かな描写を踏まえながら身振り手振りで熱弁することで強烈なインパクトを残していました。

2本目のネタ序盤に「一人でも信じてくれる人がいると信じて話しますね」というセリフがあったように、誰も信じていない中身ゼロの内容だからこそ、街裏ピンクという存在自体がより際立ち、その人間性に笑いが起こっている言わば無双状態になっていたと思います。

あの瞬間、街裏ピンクさんのバカバカしさに会場全体が引き込まれていました。

芸歴撤廃した1発目に芸歴20年目のベテラン芸人が優勝するというなんとも夢のある展開になったと思います!

第2位|吉住(芸歴9年)

第4回女芸人NO.1決定戦THE Wにて王者に輝いた吉住さん。

出身は福岡県北九州市で所属事務所はプロダクション人力舎です。

現在はバラエティー番組だけでなく、お芝居の仕事など幅広くご活躍されています。

そんな多忙を極める中、R-1グランプリ2024の決勝に上り詰めた吉住さんのネタに対するストイックさには驚かされました。

吉住さんの最大の魅力は「表現力の高さ」です。

1本目では「婚約者の実家を訪ねる活動家の女性」、2本目では「浮気された鑑識の女性」と想像だけで膨らませたリアリティある演技がお客さんを引きつけ、目の動きや声のトーンなど、体全体を使ってその女性のやばさを表現していました。

ネタの内容としてもこれまで見た事のない設定で、狂気じみたそれぞれのキャラクターがネタ中にどんな展開をもたらすのか終始ハラハラドキドキしながら見ることが出来ました。

2本目に関しては鑑識役を活かして、自分で証拠を発見し彼氏を追い込んでいくような展開など後半にかけてもう少し盛り上がりを作れていれば、さらに良かったかなと思いました。

しかし、セリフのワードセンスやひとつひとつのパンチ力の強さは今回の出場者の中で群を抜いていたのではないでしょうか!

今回は準優勝という悔しい結果となりましたが、その吉住さんの表現の高さを活かしたネタで来年こそ優勝を勝ち取ってほしいです!

第3位|ルシファー吉岡(芸歴16年)

R-1グランプリに出場者の中では最多6回出場しているルシファー吉岡さん。

出身は島根県で所属事務所はマセキ芸能社です。

今年はルシファー吉岡さんの代名詞である「下ネタ」を完全封印して挑んだ決勝の舞台。

そこで披露したネタは今まで見ていたルシファー吉岡さんは誰だったんだろうと困惑してしまうほど繊細かつ巧妙に作られた圧巻のネタでした!

特に1本目のネタ「婚活パーティー」が最終決戦トップ通過で審査員の方々からも絶賛されていたように、個人的にもR-1の歴史に残る素晴らしいネタだったと思います。

分かりやすい設定応援したくなるキャラクター、4分のネタ尺で最初の1分間をフリに使い、後半にかけて盛り上がっていくストーリー展開。本当にお見事でした…!

どうしても1本目のネタと比較してしまい2本目のネタがストーリー展開の部分で弱く感じられてしまったのが少し残念でした。

しかし、ルシファー吉岡さんが16年間もがきながら磨き続けた至極のネタをこうして華々しい舞台で見ることが出来たことはお笑いオタクとしてとても嬉しかったです!

来年こそ決勝の舞台でルシファー吉岡さんがトロフィーを掲げる姿を期待しています!!

第4位|真輝志(芸歴10年)

R-1グランプリ初決勝進出で第4位という功績を収めた真輝志さん。

出身は大阪府門真市で所属事務所は吉本興業です。

2022年までは「きんめ鯛」というコンビのツッコミ担当として活動されていました。

↓2018年1月に撮影した写真で、当時23歳の真輝志さんです!

テレビで見てもそのスタイルの良さは分かっていただけたかと思いますが、実際にお会いすると本当に顔が小さくて背が高くて、足が長いので俳優さんかモデルさんになっていてもおかしくないほど洗礼された美青年です!

しかも、お客さんと写真を撮るときは必ず相手の身長に合わせてあげるなど、一人ひとり丁寧に対応されていた印象です。ネタにも定評があったのでコンビとしてもめちゃくちゃ人気がありました!

そんなきんめ鯛を解散してからは、ピン芸人として同志社大学卒の秀才をいかした独特な切り口で、真輝志さんの個性が光るネタをされています。

今回披露したネタ「俺の物語」でも、テーマとしてはよくある設定ですが、そこから繰り広げられる予想不可能な展開に、「軟式部にボクビー」などインパクトのあるワードを挟むことで、コンスタントに会場内の拍手笑いを取り続けていました。

また、自分のキャラクターを十分に理解し、その爽やかさを活かした登場人物や、もともとツッコミ担当だった実力を活かした音声との掛け合いが、真輝志さんにしかできない最高のネタだったと思います!

出順が1番でなければ…という悔しい気持ちも正直あるのですが、真輝志さんのネタは本当にどれも面白いので今後必ず優勝してくれることを願っています!

同率第4位|どくさいスイッチ企画(アマチュア)

史上初アマチュアからの決勝進出を果たしたどくさいスイッチ企画さん。

出身は神奈川県で現在フリーのピン芸人として活動されています。

芸歴20年の大ベテランやR-1常連組がいる中、アマチュアとして立つあの大舞台で4分間噛むことなくネタを完走させ見事4位という功績を収めた強者。

しかも、大トリであの堂々とした姿、肝座りすぎですよね(笑)

ネタの完成度といい、キャラクターといい今後多くの芸能事務所からオファーが殺到すること間違いなし!

大学時代から落語をされていた経歴があるとのことなので、決勝で披露したネタ「ツチノコ発見者の一生」というテーマもどことなく落語のお話のようでした。

小道具も音響も暗転も一切使わず、自分のしゃべりと動きだけでその人の一生を演じるというアマチュアとは思えない非常に高度なことをされていました。

しかし、個人的には後半にどれか1つでも使ってくれると淡々と進む話に展開や起伏が生まれて、お客さんがより見やすくなったり最後まで飽きずに見れるのでないかと思いました。

ただ、落語家さんとして最後は綺麗にお辞儀で終わられていたところが印象的で、お見事だなと感じました。

今後はフリーで活動されるのか、はたまた事務所に所属されるのか、これからの動向に注目が集まります!

第6位|サツマカワRPG(芸歴10年)

R-1グランプリ2024決勝終了直後にタレントであるでか美ちゃんとの結婚を発表されたサツマカワRPGさん。

ネタの最高潮であったサツマカワRPGさんが被っていたカツラを外されたシーン

私はカツラを外したところを見たことがあったので、ようやくこの姿が世にバレたか!という感情でしたが、一緒に見ていた初見の母親は「怖い!!」と完全に引いていました(笑)

確かにだいぶインパクトの強い姿ではありましたが、あのネタであの狂気じみた役を演じるにあたっては誰にも真似のできない唯一無二のボケだったと思います!

サツマカワRPGさんと言えば、怪奇YESどんぐりRPGというトリオでまさに怪奇なギャガ―をするイメージが一般的だと思います。

しかし、ピンネタでは、自分のキャラクターを最大限に活かした設定やしっかりフリの効いたボケ前半の伏線を後半で回収する展開など練に練られた完璧なネタの仕上がりでした。

サツマカワRPGさんの芸人としての地肩の強さを目の当たりにした瞬間でした。

今後は結婚されてもその怪奇なキャラクターで世間の人々を驚かせ続けてほしいです!

第7位|寺田寛明(芸歴11年)

準決勝の評判で優勝候補として挙げられていた寺田寛明さん。

出身は埼玉県さいたま市で所属事務所はマセキ芸能社です。

個人的には、次々に投稿されていくコメントのテンポ感ワードセンスが良すぎて、このコメント欄ならいつまでも見続けていたくなるほど面白かったです!

しかし、世代的に少し上の審査員の皆さんにはハマっていなかったのかな…という印象です。

審査する側としても話の展開が少なく、コメント大喜利に近い形となったこのネタは加点しずらかったのかもしれません。

また、序盤に緊張からか2回ほどセリフが詰まってしまった部分も審査の減点対象になってしまったかと思います。

ただ、寺田さんが紹介VTRで仰っていたようにネタ中の無駄な言葉が一つもなく、最初のつかみである「今日の偏見」から私は一気に引き込まれてしまいました(笑)

R-1グランプリで優勝するにあたって、審査員にハマるネタを作ることが果たして正しいのか…人が審査をする以上、どうしても難しい部分ではありますが、今回の寺田さんのネタは心から面白いと思える最高のネタでした!

今後も寺田さんらしい独自のネタを磨き続けてほしいと思います!

第8位|kento fukaya(芸歴13年)

今年の4月から東京進出を発表したkento fukayaさん。

出身は愛知県大府市で所属事務所は吉本興業です。

↓2018年3月に撮影した写真です。当時27歳のkento fukayaさんです!

当時から人気・実力ともに折り紙付きで、その親しみやすさから常に周りには人がいてキャッキャ楽しそうにお話しされていた印象です!

笑顔が可愛く愛嬌のあるそのキャラからは想像もつかない独特の感性が持ち味です!

今回のネタでは女性役を演じておられましたが、男性が演じるにしてはクオリティーが高すぎませんでしたか…?可愛すぎましたよね(笑)

また、kento fukayaさんと言えば得意の絵を活かしたフリップ芸のイメージが強いですが、本大会ではマッチングアプリというテーマで絶妙に気持ちわるいワードセンスが光るネタをされていました。

点数が伸び悩んだ原因としては、マッチングアプリという設定である以上どうしても女性目線からのボケ数が多くなってしまいます。

今回の審査員には男性かつ年齢的にも上の方々しかいなかったので、高得点には繋がりにくかったのかなと思います。

しかし、会場ではしっかり盛り上がっていましたし、kento fukayaさんの新しい魅力あふれる一面を全国の方々にお見せすることが出来たのではないでしょうか!

今後は「東京」という第2のステージで華々しくご活躍されることを期待しています!!

第9位|トンツカタン お抹茶(芸歴11年)

出場者唯一の自作歌ネタを披露しましたが、権利の関係でTVerでは全カットとなってしまったお抹茶さん。

出身は埼玉県越谷市で所属事務所はプロダクション人力舎です。

紹介VTRにもあったようにお抹茶さんが披露したネタ「かりんとうの車」はまさに非現実的な空想「白昼夢 」全開でした…!

果たしてこのネタは審査が必要なのかと疑うくらい各々の感覚や感性で楽しむネタだったのではないかと思います。

終始かりんとうの車についての説明がされているのですが、個人的に「かりんとうの老舗がイチかバチかで作った車」「機能性よりも味に3年かけた」という疑問しか浮かばない歌詞があまりにも奇妙すぎてツボに入ってしまいました(笑)

また、お抹茶さんが楽しそうにかりんとうの車を運転している表情がじわじわと面白くなり、いつの間にか笑いが込みあがっていました!

ネタ終了直後、私の頭にはかりんとうの車~♪がぐるぐると流れ、勝手に口ずさんでいました。まんまとお抹茶ワールドに飲み込まれた瞬間でした(笑)

トータルして、頭を空っぽにしてみることが出来るとても愉快なネタで私は面白かったです!

ほかにもどんなネタをされるのか一番気になりました!

まとめ

R-1グランプリ2024決勝戦の全体を通して、完成度の高いネタばかりで非常にハイレベルな戦いでした。そんな熱戦を制し、優勝を掴み取ったのは芸歴20年大ベテランの「街裏ピンク」さんでした。

しかし、本大会に関してはみんな大優勝!というのが私の素直な感想です。

賞レースには結果がつきものですが、本記事を通して少しでも各芸人さんの魅力が伝わっていれば嬉しいです…!

来年に向けて、個人的に導入してほしい審査方法が「テレビの視聴者投票」or「会場の観客投票」です。

ピン芸であればコントでも漫談でもそのジャンルは何でもありという言わば異種格闘技の本大会

審査員の方もすべてのピン芸を網羅した方々ではないため、1つの基準としてお客さん目線も採点の中に入れていただきたいです…!

芸人さんの立場としても世間や会場の反応は気になるところだと思いますし、お客さんを笑わすためにネタを作られていると思うので、超個人的な願望ですが、運営の方々にどうにかご検討していただけないか細々と声をあげていきたいです(笑)

今回R-1グランプリ2024を見逃してしまった方は、TVerにて2024年3月16日(土)まで視聴可能ですので、ぜひチェックしてみてください!