2024年3月3日(日)開催されたytv漫才新人賞決定戦2023-2024!
決勝に初進出した芸歴4年目の空前メテオが最年少王者となりました!
芸歴10年目ラストイヤー組の意地VS新時代のニューウェーブの戦いとなった本大会。
読売テレビ1階特設ステージにて藤崎マーケットさん・ダブルヒガシさんと共にライブビューイングで観戦した私が各コンビのネタの感想を話していきたいと思います!
結果【ytv漫才新人賞決定戦2023-2024】
ytv漫才新人賞決定戦2023-2024の最終結果です!
見事優勝に輝いたのは「空前メテオ」でした⭐
第1位 | 空前メテオ(芸歴4年目) |
第2位 | ぐろう(芸歴4年目) |
第3位 | バッテリィズ(芸歴10年目) |
第4位 | ドーナツ・ピーナツ(芸歴10年目) |
第5位 | たくろう(芸歴10年目) |
第6位 | ぎょうぶ(芸歴7年目) |
第7位 | ハイツ友の会(芸歴5年目) |
感想【ytv漫才新人賞決定戦2023-2024】
まだ記憶に新しいM-1グランプリ2023にて結成5年目という史上最速の速さで天下となった令和ロマンの優勝。
漫才の聖地である大阪で開催されたytv漫才新人賞決定戦2023-2024においても、芸歴4年目の同期「空前メテオ」と「ぐろう」が最終決戦に残り、新しい漫才スタイルを披露した空前メテオが優勝するという新時代を切り開く歴史的大会となりました。
ライブビューイングの会場では、藤崎マーケットさん司会のもと、暫定席の中継が行われ、番組終了後には敗退者による反省会や優勝者の記者会見が行われました!
その舞台裏で見た芸人さんたちの様子なども踏まえながら、各コンビのネタについて話していきたいと思います!
第1位|空前メテオ
漫才劇場で初単独を行ったわずか20日後に関西賞レースの王者となった空前メテオ。
1本目のネタ「パティシエ」では、審査員の方から、構成について最初の一分間に笑いが起こらないことを指摘されていました。これは2本目で披露した「猫派・犬派」でも同じことが言えます。
しかし、「パティシエ」は「魚」であり、「人魚」はその中間地点であるという複雑な持論を一般人が説明しようとした時、到底初めの一分では収まりきりません。ましてや、笑いに消化するなんて絶対にできません(笑)
それを最初の一分だけでネタの概要を簡潔かつお客さんがイメージできるように説明し、言い方やテンポ、表情を変えることでお客さんをさらに引きつけ、後半への盛り上がりも作っていました。
さらに、パンクブーブーの佐藤さんからは「構成での加点はなかった」といわれていたように、2人の掛け合いの中で話を展開させていくのが通常の漫才であるため、茶屋さんがただ一つの話題について話し続け、大門さんがそれにリアクションをとるスタイルが続く空前メテオの漫才において、構成という面だけを見れば減点になっていたと思います。
しかし、空前メテオはその減点を度外視にして、「空前メテオ」という漫才の新ジャンルを突き詰め、唯一無二のネタを磨き上げたことで、実力あるライバルたちを倒し、見事優勝を掴みました。
そんな圧倒的カリスマである空前メテオが称号を手にした今、様々なメディアでどんな旋風を巻き起こしてくれるのか期待でいっぱいです!!
また、ライブビューイング会場の暫定ボックスでNSCからライバル関係であった同期のぐろうと並んで座っている時、まったくお互いを見ない茶屋さんと家村さんのバチバチと火花が散っている様子がとても痺れました!
今後、賞レース決勝の常連組になるであろうこの2組の熱い関係性に注目していきたいと思います!
第2位|ぐろう
惜しく同期の空前メテオに敗れてしまったぐろう…!
本大会で披露したネタ「永久脱毛」と「結婚式」では、終始家村さんのワードセンスの高さが際立ち、お客さんもどこで笑っていいのかがとても分かりやすかったと思います。
その中で、高松さんのツッコミは「どこがやねん!」「なんやねんそれ!」など非常にシンプルでした。
そんなシンプルなワードながら家村さんとのパワーバランスが対等に見える言い方や表情、テンションを使い分ける高松さんにツッコミの技術の高さを感じました。
空前メテオのしゃべくり漫才と比較すると、空前メテオは茶屋さん1人の持論展開を軸として構成ができあがりますが、ぐろうの場合はお題に対して対立する2人のリアルな掛け合いが重要な軸になります。
そのため、ネタの内容以前に2人が話す間やテンポ、熱量が揃っていないとそもそも成立しないのがぐろうの漫才スタイルになります。
そんなハイレベルな事を芸歴4年目にして完璧にこなしてしまうぐろうは本当に天才としか言いようがないです笑
ライブビューイング会場では家村さんのお母様が涙ぐみながら2人のネタを応援されていました…涙
また、最終決戦で同期対決になったことにコメントを求められると同期で仲の良い空前メテオも頑張って欲しい!と…
なんて優しいお母様なんだと会場全体が暖かい雰囲気に包まれた瞬間でした…!
第3位|バッテリィズ
最終決戦まであと一歩届きませんでしたが大きなインパクトを残したバッテリィズ。
今回披露したネタ「世界遺産」、私は個人的な意見としてバッテリィズのネタには大きく分けて「共感笑い」と「バカさ笑い」2つのボケがあると感じています。
例えば、本大会で披露したネタ「世界遺産」ではサクラダファミリアが130年工事してまだ完成していないことに対して「誰がスペインまで行って工事現場行くねん!」というボケはお客さんが共感して笑いが起こっている状態でタージマハルの説明に対して「全部聞き取れたのに…!!」というボケがエースさんのバカさに笑いが起こっている状態です。
そのバランスが7:3の割合で作られたネタが一番ウケの狙えるネタだと考えています。ラウンド3で披露したネタ「茶道」はまさにこの割合だったと思います。
しかし、今回のネタ「世界遺産」において序盤は共感できるボケが続きお客さんものっていましたが、終盤にかけて「俺のおじいちゃんもおもちゃいっぱい買ってくれたからー!」や「もう誰も死なんといてー!」といったボケがエースさんのキャラを少しオーバーに演じているように感じてしまいました。
また、先ほど説明の際にも上げていた寺家さんの話をエースさんが全力で理解しようと頑張った結果の「全部聞き取れたのに…!!」というバッテリィズさんのネタによく出てくるキラーフレーズ。
個人的にあのワードはお客さんは難しい単語が並んでも意味が理解できているけど、エースさんには理解出来ていないという状態だからこそ面白さが爆発すると思っているのですが、今回はお客さんもインド人の名前が理解できていなかったので、普段の爆発まで届いていない印象でした。
しかし、最初の掴みから最後のオチゼリフまでエースさんの魅力的なキャラを最大限に引き出したネタはラストイヤーとしての意地とプライドが見えた素晴らしいネタでした…!
ライブビューイングの裏話としては敗退が決まった際、ラストイヤーで相当悔しかったはずですが、空前メテオ2人の肩を叩き「頑張れよ。」と言ってはけて行かれた背中がとてもカッコよくて印象深かったです。
第4位|ドーナツ・ピーナツ
ラストイヤー第4位で幕を閉じたドーナツ・ピーナツ。
今回披露したネタ「ワイドショー」は、M-1のツアー公演や普段の劇場でいくつものボケを試して、その選りすぐりで作られたネタであるため、ある程度のウケが取れることは見込んでいたと思います。
しかし、初めの「スパイ活動するのが好き」という掴みがハマらず、お客さんを少し離してしまったように感じました。これが、掴みを入れることの最大のリスクではあるのですが、マイナスのスタートになってしまうと、そこから巻き返していくのはとても難しいです。
さらに、このネタはドーナツ・ピーナツさん最大の魅力である憑依型の漫才スタイルが押し出しづらい設定になっていると感じました。
予選で披露したネタはピーナツさんが一人の女性だけを演じるため、インパクトのあるキャラクター性やサイコパス感を存分に出すことが出来ます。しかし、このネタは司会者からコメンテーターまで複数人演じるため一人一人の印象が薄くなってしまう+全体的に見ずらい印象でした。
また、審査員の久馬さんも仰っておられましたが、ドーナツさんの魅力である強めのツッコミがコメンテーター役という設定があったからこそ、どうしても全体的に浮いているように感じてしまいました。
ただ、ボケ一つ一つのワードが本当に面白くて、「おはようございます」の挨拶が後半に「アニョハセヨ」として回収されたところが個人的にめちゃくちゃ笑ってしまいました。
ライブビューイング会場では、放送終了後に応援で来てくれていた芸人さんたちと、健闘を称えて熱く抱擁している姿にとても胸が打たれました。
この悔しさをバネに今後の賞レースではぶっちぎりの優勝を勝ち取れるように頑張ってほしいです!
第5位|たくろう
この決勝の中で、トップバッターにして最速で自分たちの空気感を作ったのは間違いなくたくろうだったと思います…!
最初の「大根 泥棒 赤木です」という掴みの一言だけで、赤木さんの奇妙なキャラクター性や2人の役割(ボケ・ツッコミ)をお客さんに説明し、一気に会場全体を引き込んでいきました。
ネタ「フルレンジャー」の序盤はたくろうの真骨頂である「予定不調和のテンポ感」で赤木さんが木村バンドさんの話に巻き込まれながら進んでいきます。
しかし、中盤から木村バンドさんの予想外な言動に赤木さんがツッコミを入れるスタイルへと2人の役割が変化していきます。
最後にレンジャーの決め台詞「敵が死んだで…」という何とも歯切れの悪い決め台詞で強烈なインパクトを残し、勢いそのままにネタが終了。
2人の役割がスイッチしていくという展開が増えたことで、たくろうの漫才により一層ハラハラドキドキさせる臨場感が増し、会場のボルテージも一気に上昇していました!
リンゴさんはこのネタに「97点」という、大会最高得点をつけていました。結果論にはなりますが、トップバッターでなければ最終決戦まで残れていた可能性は大いにありえたかと思います…!
念願の優勝を果たすことは出来ませんでしたが、10年間自分たちのスタイルを最後まで崩すことなくネタを磨き上げ、ytv漫才新人賞を盛り上げてくれたたくろうさんには、本当に感謝の言葉を伝えたいです。
そして、たくろうさんの応援団として登場していた2人の女の子たちが、CM中も話すことを一生懸命練習していた姿がとても印象的でした♡
女の子の可愛さにたくろうさん含め周りの大人たちはみんなメロメロになっていました(笑)
第6位|ぎょうぶ
出順に苦しめられたぎょうぶ。
披露したネタ「デリカシー」はラウンド2にて第3位となった評価の高いネタでした。
しかし、本戦では予選を見て観覧募集されたお客さんも多いことや、観覧のお客さんの年齢層とは少し合わなかったこともあり、全体のウケ量としてはイマイチだったのかも知れません。
M-1の敗者復活戦てやったハナクソのネタといい、今回のデリカシーといい、テレビ放送で絶妙にやりずらいテーマを挑戦的に持ってくるあたり私は大好きです笑
また、最終滑走となったぎょうぶは収録の入り時間から出番までが約5時間あったとの事なので、精神的な疲れがネタに出ているなぁという印象はありました。
本大会を踏まえて、次年度ではラウンド1で勝ち上がり、最高の出順で優勝を掴んで欲しいなと思います!!
ライブビューイングの会場では藤崎マーケットさんとダブルヒガシさんから為国さんの前髪の上がり具合をいじられていました笑
為国さんのどアップファイティングポーズ写真が会場の大スクリーンに映し出された瞬間が会場1番の盛り上がりでした笑
第7位|ハイツ友の会
4月の大阪劇場出番が一切なくなっていることに、東京進出?解散?とあらゆる憶測が話題になっているハイツ友の会。
ネタでは、序盤から「(アンニュイな表情をする人に対して)ちょっと臭くなっただけやのに」「(不健康自慢する人に対して)黙ってお茶飲みーや」と毒舌スタートダシュを見事に成功させていました!
間髪入れず切り捨てるように毒を吐く間や芯を食った端的なワードは、見ている人に爽快感すら与えてしまうほど見ていて気持ちよく笑えます(笑)
そして、皆さんが気になったであろうつんく♂さんの曲。私も聞いてみましたが、ハイツの毒舌ネタに登場するとは思えないほど心温まる素敵なバラード曲でした(笑)
ネタの間に緩急を上手に使い、終始お客さんを飽きさせることなく注目を集めていました。
また、大先輩ブラックマヨネーズ吉田さんとの絡みでも臆することなく清水さんのキレッキレの毒舌でしっかり爪痕を残していましたね!
多くのお笑い賞レース決勝に上がっているハイツ友の会さん。ローテーションネタで優勝を果たすのは難しいとされていますが、それを打ち破り王者に輝くお2人の姿をぜひ見てみたいです!
ライブビューイングの会場では、用意された椅子が高すぎて清水さんが登れずにいると西野さんが大丈夫?と椅子を支えてあげていたり、座席の関係で清水さんに当たってしまっていた旗を西野さんが除けてあげていました。
ハイツ友の会は西野さん(31歳)清水さん(26歳)と実は少し年齢差のあるコンビなので、年下の清水さんを気にかける西野さんという構図を現場で見ることが出来てほっこりしました♡
まとめ【ytv漫才新人賞決定戦2023-2024】
ytv漫才新人賞決定戦2023-2024の予選から全体を通して、大阪若手の層の厚さを実感することが出来ました!
今年度から大阪の漫才劇場で活躍していた「さや香」や「ビスケットブラザーズ」「ヘンダーソン」を始めとする9組が東京進出することを発表しています。
正直私も人気メンバーが一気に抜けてしまうことに対して、その空いた枠を埋められるのだろうか…と少し心配していました。
しかし、今大会にて大阪の若手漫才師の勢いと芸歴を感じさせない実力が証明され、まだまだ大阪の劇場は安泰だなと感じました(笑)
優勝した空前メテオを筆頭にこれからも関西のお笑いを盛り上げていってほしいなと思います⭐
今回の放送を見て漫才に興味を持たれた方はぜひ、大阪なんばにある「なんばグランド花月」や「漫才劇場」などで生の漫才を見てみてくださいね!